▲写真:エルサレムの街なみ
2018年度のパレスチナ・イスラエルのスタディーツアーに学年、専攻の異なる12人の学生とともに行ってきました。
そこで得た経験、感情そしてその地で得た人とのつながりはわたしの宝物です。
ここで私が話したいのは、イスラエル、パレスチナの人についてです。
日本の報道で語られることも少なく、そして離れた土地であるということから日本人に馴染みの少ない土地にどのように人々生きているのか、が少しでも伝えられたらと思います。
パレスチナ・イスラエルの両者に、インフラの発展の違いはあるが基本的にはなにも変わらないように見えました。
しかし、エルサレムだけはすこし異なります。
イスラエルが統治するエルサレムですが、同様にイスラエルの都市であるテルアビブとは様相が違います。そのためエルサレムについて少し話したいです。
エルサレム
キリスト教、イスラム教、ユダヤ教、アルメニア正教の4つの異なる信者がそれぞれ住んでおり、それぞれの宗教の誕生にかかわる重要な土地です。
歴史はもちろん長く、ローマ時代の瓦礫、オスマン・トルコ時代の建築、そしてイスラエル・パレスチナ紛争時の銃弾の跡と考古学としても政治としても中心的な土地であったことは間違いありません。
ですが、その中でもエルサレムに住む人はもともと共存していました。それは、エルサレムがどこかの国に統治されることはあっても、誰かのものになり侵害されることがなかったからです。
しかし、いまはイスラエルという国のものになってしまっています。
この4つの宗教が1つの国の統治に任されてしまい、そしてその国も宗教を持っている国です。
市場はとっても賑やかでしたが、道路やとくにユダヤ人の住むところは異様にきれいでした。
ある1つの暮らしを守るために犠牲にされた人も多いのかなと思いました。
イスラエル・パレスチナ
両者ともおもてなしの精神が高いというものです。
食材、物価の面として必ずしも裕福ではない方だとしても、遠くの国からよく来てくれたねというように食べきれないほどの料理、お土産をくれたり案内してくれたりしました。
私たちとそれほど年が変わらない子たちが一生懸命自分の生活を良くしようと大学で勉強しています。そして遠く離れた日本のことも知っていました。
仕事が大変であっても私たちのために時間をとって自分の国を案内してくれました。
おそらく自分の国について本当に知ってほしいという気持ちがあるのでしょう。
そしてみなさんおしゃべりです。
その気持ちに当然ながらパレスチナ人・イスラエル人の違いはないと思いました。
しかし両者の間には“分離壁”というものが立ちはだかっています。そのせいで互いの接触がなくなり両者に対する関心もなくなってしまうのです。
そしてパレスチナの人の暮らしを精神的、物理的に蝕むものです。
車で10分のところの分離壁の検問所のせいで時間なんて考えられますか?
私たちは今回イスラエル、パレスチナに行って、多くの人とつながりを得ました。
イスラエル、パレスチナが他人事ではなくなったことが、とてもうれしいことだなと感じています。
しかし、他人事ではなくなったということは、この地でおこる問題について知り、苦しむことになります。
この地にいる友人のことを考えるとわたしはこれからもこの土地に関わり続け、そして多くの人にこの場所にすむ心あたたかな素敵な人々を知ってほしいと思っています。
報道で得る情報だけではなく実際に足を運び知ること、それがこれから必要になっていくのでしょう。
(文 石塚 花音/
2018年スタディー・ツアー参加者、大学2年生)