▲写真:ベツレヘムの難民キャンプ
私は今回このツアーに参加し、本当に多くのものを見て、感じて、学びました。現在、大学でイスラエル・パレスチナ問題について研究を進めており、このツアーへ参加したのもそのためでした。
日頃からイスラエル・パレスチナに関する文献やニュース等に触れていたため、この2つの国のことは良く知っているつもりでした。
しかし、実際にホームステイや施設訪問等を通しそこに住む人々と交流してみて、自分が如何に無知であったかを痛感させられました。
今回は印象に残っていることを、楽しかったこと、ショックだったこと、そして驚いたこと の3点にまとめて述べたいと思います。
楽しかったこと
1番の思い出は、ホームステイです。テルアビブ、エルサレム、ベツレヘムと3カ所でホームステイをさせてもらいましたが、どの家庭も本当に親切で、とても貴重な時間を過ごしました。また、アラブ料理が大好きになったのも、ホームステイのおかげです。(笑)
特に、エルサレムではツアーのメンバーの誕生日を祝ったり、アラビア語を教えてもらったり、デザートを食べに外出したりと、存分に楽しみました。
また、イスラエル・パレスチナの学生も勿論ですが、旅先で出会った人々との交流もとても刺激的でした。ベツレヘムでの最後の夕食に同席してくださった神父様、ツアーに飛び入り参加したドイツ人学生とイタリア人学生、難民キャンプを案内してくれたパレスチナの青年等々…沢山の出会いが、このツアーをより良いものにしているのだと強く感じました。
ショックだったこと
それとは対照的に、ベツレヘムの難民キャンプに住む人々の現状は、つらく厳しいものでした。
難民キャンプといっても、テントが広がっているような場所ではなく、周りの街と同じような建物があり、一見すると難民キャンプと分からないような場所でした。
しかし、よく見ると建物は窓や壁はボロボロで、道も狭く、思わず本当に人が住んでいるのかと疑ってしまいました。
ここでは2つの家庭を訪問させて頂きましたが、閉鎖的な環境から、教育の機会や社会的保証を奪われた人々の生活を目の当たりにし、ただただ唖然とするばかりでした。
また、建物には戦争の痕が残っていました。第二次インティファーダが起こった後、ベツレヘムがイスラエルにより1ヶ月以上包囲されたというを聞き、ホストファミリーを含めこの街に住む人々は現代の紛争の中を生きているのだということを改めて実感しました。
驚いたこと
私にとって驚きだったのは、アラブ人クリスチャンの存在と、教会が持つ役割の大きさです。これまで、パレスチナ問題というと、ユダヤ人とムスリム間の争いというイメージが自分の中で大きかったのですが、ツアーでは多くのアラブ人クリスチャンと出会い、パレスチナ問題を違う角度から見直す良い機会になったと感じます。
また、現地の雰囲気が想像していたものと全く異なっていました。イスラエル・パレスチナと聞くと、紛争やテロなどネガティヴなイメージが先行してしまいがちですが、現地の人々はそれぞれが困難を抱えながらも、にぎやかで明るい暮らしを営んでいました。
特に、ベツレヘム大学では、同じ大学生とは思えないほどイケている学生が多く、パレスチナのイメージが大きく変わりました。
それ以外にも、ホロコースト博物館や検問所、分離壁の話など、まだまだ書きたいことが沢山あります。
私は今回、大学の研究の一環でこの地を訪れましたが、大学を卒業した後もこの2つの国から目を離さずに向き合って行きたいと思います。そして、このツアーを通して、イスラエル・パレスチナがもっと好きになりました。必ずまた、この地を訪れたいです。
(文 原田 直美/
2017年スタディー・ツアー参加者、大学3年生)