3年ぶりのスタディ・ツアー、皆様のご支援に感謝!
当法人は8月24日から9月4日まで、3年ぶりとなるイスラエル・パレスチナへのスタディ・ツアーを実施することができました。
2020年以来のコロナ感染拡大で何度も延期を余儀なくされておりましたが、イスラエル・パレスチナ紛争の解決が厳しさを増す中、たとえ一粒でも「平和の種蒔き」の手を止めてはならないとの信念から、敢えて実施を決めました。円安の進行による財政面の困難も、将来への投資と見きわめての決断でした。
数度にわたる事前研修を積んで臨んだ6人の参加者はそれぞれ大切なものを学び、とくに現地の人々との交わりに大きな喜びと感謝を抱いて帰国しました。参加者一人ひとりの成長に期待しております。
この旅を可能にしたのは支援者の皆様はもちろん、現地の方々、特に私どもの現地スタッフ、ヤクーブ・ガザウィ家の献身的な協力があればこそです。
さらに帰国後の報告会にはNHK解説主幹の出川展恒氏もご参加くださり、最新の情勢を踏まえてコメントをくださいました。(p.5参照)
皆様のご支援に心から感謝申し上げます。
私の進路を明確にしてくれたスタディ・ツアー
髙橋 彩子(大学4年)
私がイスラエル・パレスチナの紛争問題について学んできたのは、平和について考え、どのように平和に貢献していくかを明らかにしたかったからです。2019年「平和の架け橋プロジェクト」への参加、その後の3年間の事前研修、約半年の当法人でのインターンを経て参加したこのスタディ・ツアーは、今までの学びの総まとめになりました。結果として「環境分野の課題解決を通して平和に貢献する」という自分なりの答えを見つけ、大学院への進学を決めました。また、私生活では、学びの一つである「人とつながることの大切さ」を重視していきたいと思っています。
訪問先で現地の人やガイドから話を聞くことで、私はあらゆる分野に無数の問題が存在することを知りました。変化を起こすためには全体を見渡すだけでなく、これらの小さな問題一つ一つに取り組むことも不可欠だと強く感じました。これが、ジェネラリストではなくスペシャリストになる道を選ぶことにした理由です。専門分野として「環境」を選んだのは、ツアー中イスラエルからパレスチナに入った途端に道路や建物、その周辺のゴミ管理の様子が一変して、雰囲気まで全く違うものになるのを感じたり、数年前と比べ明らかに小さくなった死海を見たりして、環境やその管理の影響の大きさを実感したからです。「環境問題」はかねてより興味のあった分野でもありました。
人とのつながりを今後も大切にしたいのは、「プロジェクト」でつながることが個人レベルの平和構築を可能にすると学んだ上に、今回のツアーでそれが長期的に続くことや、その「つながり」に日本人である自分の意味を実感できたからです。現地での交流会には、最長で10年前までの参加者も集まり再会を喜び合いました。移動制限のためお互いの居住地に行けないイスラエル、パレスチナの友人にそれぞれ会った時には、私が写真を共有したことをきっかけにメッセージアプリで会話が始まり、間接的に3者同時に再会できたような気持ちになりました。
ベツレヘムで、現地学生から「パレスチナの事はここに来なければわからない。来てくれてありがとう。」と言われました。やはり来るべきだったし、3年間待ってでも来てよかったと思えるツアーでした。最後になりましたが、主催者の聖地のこどもを支える会、支援してくれた方々、一緒に学びを深めてくれた参加者のみんなに改めて感謝します。