井上理事長の巻頭言
ようやくイスラエルの人質は愛する家族のもとに帰ることができました。ガザでは空爆の音が聞こえなくなり、緊急支援物資のトラックが入れるようになりました。しかしこの停戦が守られるか、何の保証もありません。6万7千人の命が奪われ、その三分の一は子どもだと言われています。残されたのは原型をとどめないほど破壊された街、愛する人を失い生きるすべを奪われた人々です。しかもこれからガザは雨期になり、寒い冬が始まります。ハマスの武装解除はされておらず、停戦発効後の13日にガザの内部抗争で30人近くが死亡するような状況で、彼らはどのように生活を再建していくのでしょうか?
国際社会からの人道支援がなければ、命を繋ぐことができません。食料や医療など生活必需品は欠かせませんが、学校教育の再建も大切な課題です。将来に責任を持つ子どもたちが、親や兄弟を失い、飢餓にさいなまれるという苦しみを体験しています。彼らがきちんとした人間教育を受けなければ、「自分たちをこんな目に遭わせた敵」と信頼関係をつくるのは難しいでしょう。真の和平のためには、お互いを「同じ尊厳を持つ人間」として認め合うこと、それを可能にする教育環境が必要です。これからも皆様と力を合わせて、今助けを必要としている人々への支援を少しずつでも続けていきたいと思います。
井上 弘子
目次
- 井上理事長の巻頭言
- 家が、学校が、尊厳が「破壊」される日々:イスラエルの「集団懲罰」に非暴力で抗うパレスチナの人々がいる
- エルサレム大主教区からメッセージをいただきました
- ガザ停戦で合意 イスラエル批判の高まり影響か
- 平和を願うオルガンコンサート
- 平和の架け橋プロジェクト2025 報告と総括
- 率直な対話で困難克服
- 平和のメッセージ
- 全員で作ったメッセージ
- 一人一人のメッセージ(12名)
- 収支決算
- 支援者の内訳
- フォトアルバム




















