すべての人へのアピール

エルサレム・カトリック総代主教区 枢機卿
ピエルバティスタ・ピッツァバッラ

愛する兄弟姉妹の皆様、主が皆様に平和を与えてくださいますように！

エルサレム総代主教区の全家族は、いつも、特に大変な困難に遭遇する度に、皆様の愛の支援（愛徳）と祈りのおかげで、生きる力をいただいています。つい先頃の、コロナウイルス感染拡大、シリアやトルコの大震災の際も、私どもの呼びかけに応えて下さった皆様のご支援のおかげで、多くの命が救われ､多くの苦しみが和らげられました。

このような状況の中では私たちはいつも貧しい人々の叫びに耳を傾け、応えてきました。そして今再び､彼らの叫びは、この聖地に響いています。10月７日に始まった戦争が激しさを増しているからです。この度の危機は死、破壊、飢えをガザにもたらしただけでなく、聖地全体に社会的問題を引き起こしました。中でもベツレヘム地区では非常に失業率が高くなっています。私たちは今、数え切れないほどの家族、学校、病院や小教区などのすべての施設が直面している危機的状況に対処しなければなりません。

ガザでは､私たちの援助物資は、教会の壁を越えて、苦しむ隣人や他の場所に避難した人々にまで広がりました。地元の人たちも支援の手を差し伸べてくれるなど、協調の精神が見て取れます。私たちは食料や水、医薬品から､必需品に至るまで実質的にすべての物を分かち合っています。この困難な時期に、私たちは、物理的な世界を再構築するには、人々の間に信頼を築き、その信頼を守っていかなければならないことを学びました。
世界中から何百人もの人々がすでに連絡を下さり、また具体的なサポートを提供するのに協力して下さいました。私たちは何をなすべきか分かっています。過去の危機的状況の中で心から最大限の努力をしてきましたから。そして、今回もまたそのようにいたします。憎しみの傷跡が刻まれたこの社会に、再び信頼と希望と愛の種を蒔くために、具体的な変化を生み出し、必要な環境を構築することができるよう､私たちを助けてください。

感謝をこめて、皆様お一人おひとりのためにお祈りすることをお約束いたします。

キリストにおいて。

2023年11月2日　エルサレムにて