「イスラエル人の特徴は?」と聞かれたら、私は「旅好き」だと答えると思う。ここに来てから知り合ったイスラエル人の中に、“海外への一人旅未経験者”は今のところ一人もいない。みんな一様に、数ヶ月単位でのバックパッカー経験者ばかりで、面白いことに、決まって行き先はアジアか中南米である。
ご存知の方も多いだろうが、イスラエルには満18歳になると(高校を卒業すると)、男子3年・女子2年の兵役がある。それが終わると、「解放」されたかのように、みんな旅に出る。そのあと(行きたい人は)大学に入ることになるので、私より年上でもまだ大学生をやっている人がたくさんいる。もちろん、旅に出ない人もいるし、1年くらい働いてから大学に入る人もいる。兵役中に「優秀」だと認められ、大学に行く人もいるらしい。だからこの国では、“18歳と25歳が一緒の学年で授業を受けている”、なんてことも珍しくはないのだ。
先日久しぶりに会った友人は、「会社に交渉して半年間の“無給休暇”を取得したから、来月から旅に出るの」と意気揚々と語ってくれた。私はここの人たちの、“枠にとらわれない”自由な生き方がとても好きだ。「年齢?」「性別?」「周りが…」という言い訳も、彼らにとっては“SoWHAT?!”ということらしい。
それから、この“国民皆兵”制度。思うところは色々あるけれど、テルアビブで知り合ったイタリア人の女の子(21歳)の感想が「確かに!」と共感したのでご紹介させていただく。
彼女は2週間のテルアビブ旅行中、兵役中のイスラエル人の男の子(21歳)と知り合って恋に落ちた。その理由が、「同年代のイタリア人の男の子と比べて、イスラエル人の男の子は“mature”(大人っぽい)だから」とのこと。高校を出るといわゆる「軍隊」での生活を強いられる彼らは、考え方が大人で、物事をよく考えているように見えるらしい。この印象は、私にも思い当たることが何度かあって、「皮肉なことに」イスラエル人の魅力の一つになっているのかも…と思ったりする。
(文 鳥居 亜由美/2010年スタディ・ツアー参加者、テルアビブ在住)