少し前のことになりますが、今年5月21日の朝刊に、イスラエルの国防相が「首相と対立し辞意」という記事が載りました。ネタニヤフー首相が、対パレスチナ強硬派でアラブ系イスラエル人の排斥を主張する極右政党「イスラエル我が家」のリーベルマン党首に政権への参加を要請し、国防相への就任を打診したのを受けての…
「あなたにとって平和とは何ですか?」 これは当NPO法人「聖地の子どもを支える会」が、日本の若者をイスラエル・パレスチナに派遣して現地の状況を学んでもらう「スタディーツアー」や、イスラエル・パレスチナ・日本の若者が共同でボランティア活動などをする「交流プロジェクト」への、参加者募集の際に必ず尋…
▲写真:立派に成長したファディと 今年4月、日本の巡礼者とともにベツレヘムの羊飼いの教会を訪れた時、一人のパレスチナ人青年が「ヒロコ〜、ヒロコ〜!」と叫びながら駆け寄ってきて、私をきつく抱きしめてくれた。それは15年ぶりに再会するファディだった。 彼に初めて会ったのは、25年くらい前、「…
2014年夏、シリア国境に近いトルコ辺境の町、シャンウルファでシリア難民にインタビューをした。日本人の立場から、彼らに何ができるのか。当時、その答えは出なかった。 「あなたたちは何もしてくれない。だから私は神に祈るの。」というシリア難民女性の言葉が、しこりのように心に残っていた。紛争で帰る場所…
参加したスタディー・ツアーは、私にとって、紛争に苦しむ人々と向き合う旅であったが、同時に自分のエゴイズムと向き合う旅でもあった。 最初は、紛争の中に生きる人々の困難な状況や、愛する人が犠牲になり傷づけられた人々の心に触れても、私は無感動であった。私にとって所詮それは他人事であり、同情の“ふり”…
私には好きな言葉がある。 『Sperodumspiro』(生きている限り、わたしは希望を抱く) 子どもの頃、新聞で出会った言葉。古代に生きた人がどんな思いでこの言葉を残したか、私には知る術もない。 しかし、このシンプルな言葉の持つ力に私は幾度となく救われた。困難が立ちはだかった時、悲しみに…