2023年8月20日、東京四谷で「平和の架け橋」のまとめ発表会が開催されました。東京は真夏日が続き、会場にたどり着いたイスラエル、パレスチナの参加者たちもぐったりした模様でした。
井上代表から、プロジェクトの歴史を踏まえた挨拶をいただきました。「人間同士の関係がどれほど大切かということを感じています。理論的なディスカッションは、しないのです。人と人の心のつながり、それが生まれなければ尊敬、理解、許しが生まれない。私たちの使命は平和のラボラトリーだと思っています。同じ釜の飯を食て、違いがあって、ぶつかり合って許し合って初めて一つの和ができる、敵もなくなる。友達になれば、その人たちにとって他人事ではなくなる。小さな種まきしかできませんが、大海の一滴、一滴がなければ息もできない、海にもならない、それが合わさって初めて平和への道筋ができると思います。参加者がどんな風に感じているのか、真剣にぶつかり合って、苦しみ合う時もあります。みんなが、こころを一つにしているとは思いません。まだ途中です。ありのままの声を聴いてください。」
その後、それそれのグループから平和のメッセージを発表しました。一つのグループは、意見が割れて、平和のメッセージがまだまとまっておらず、その理由を説明しました。「人間は違うから衝突することが自然であることが理解できた。私にとっては平和は、誰もが理不尽な理由で傷つけられないことだと思っていますが、ある人は自由。またある人は、占領のない世界が平和。またある人は、安全に暮らせることが平和、とそれぞれが違う考えが違います。それをまとめるには、忍耐強さが必要です。他を尊重すること、相手の立場に立って考えることが大切だと思いました。私は簡単に、忍耐、尊重、相手の立場に立つと言いましたが、平和のメッセージを作るのは痛みを伴うプロセスだと思いました。しかし、そういったプロセスをのりこえなければいけない。いつかは平和を実現できることができると思いました。」このグループの葛藤こそが平和への強いメッセージかもしれません。
そのあとは、イスラエル、パレスチナの伝統的なダンスを披露。会場からも参加した盆踊りなどでリラックスした後、参加者もグループに加わって分かち合いのセッション。ここでは、それぞれの思いや、現地での様子など、参加者が自由に質問することができました。参加した60代の女性は、「参加して本当によかったです。知ることで、イスラエル、パレスチナが机上のことではなく、私の人生に入ってきました。地球の若い人達のために、協力していくことが私たちシニアの使命だと思いました」また20代の参加者は、「互いが思いやりを持って接することができれば、少しでも、社会は平和になるのかなと思います。このような機会を設けることで、平和について考える人が増加するので、素晴らしいと思いました」とアンケートに答えてくれました。