▲写真:立派に成長したファディと 今年4月、日本の巡礼者とともにベツレヘムの羊飼いの教会を訪れた時、一人のパレスチナ人青年が「ヒロコ〜、ヒロコ〜!」と叫びながら駆け寄ってきて、私をきつく抱きしめてくれた。それは15年ぶりに再会するファディだった。 彼に初めて会ったのは、25年くらい前、「…
2014年夏、シリア国境に近いトルコ辺境の町、シャンウルファでシリア難民にインタビューをした。日本人の立場から、彼らに何ができるのか。当時、その答えは出なかった。 「あなたたちは何もしてくれない。だから私は神に祈るの。」というシリア難民女性の言葉が、しこりのように心に残っていた。紛争で帰る場所…
参加したスタディー・ツアーは、私にとって、紛争に苦しむ人々と向き合う旅であったが、同時に自分のエゴイズムと向き合う旅でもあった。 最初は、紛争の中に生きる人々の困難な状況や、愛する人が犠牲になり傷づけられた人々の心に触れても、私は無感動であった。私にとって所詮それは他人事であり、同情の“ふり”…
私には好きな言葉がある。 『Sperodumspiro』(生きている限り、わたしは希望を抱く) 子どもの頃、新聞で出会った言葉。古代に生きた人がどんな思いでこの言葉を残したか、私には知る術もない。 しかし、このシンプルな言葉の持つ力に私は幾度となく救われた。困難が立ちはだかった時、悲しみに…
▲写真:ヨルダンの首都アンマン(街は丘の上に立っている) 支援者の皆様、こんにちは。私は現在、青年海外協力隊の一員としてパレスチナの隣国ヨルダンに派遣されています。任期は2年、パレスチナ難民キャンプで知的障害児の指導をすることになっています。 ヨルダンといってもあまりイメージがわかないか…
フランスの指揮者で作曲家のピエール・ブーレーズ氏が1月5日、死去しました(享年90歳)。指揮者として名前を知っているだけでしたが、イスラエル人やパレスチナ人などの若い演奏者たちと音楽活動をしていたことを知る機会を得ました。エジプトで旅行業に携わる夫と共に、長くカイロに暮らしてきた方の情報によるも…